外国人が多く受診する病院では、その医療現場で働く看護師も、英語に対する一定の意識が求められてきます。外国と日本とでは医療システムや習慣、宗教などが異なるため、職場でも注意すべきことが出てくるのです。
特に気を付けたいのが、外国人患者を受け入れる時の態勢です。厚生労働省や都道府県の医師会、運輸局などでは、外国人患者を受け入れる時の対応マニュアルが用意されています。
たとえば、厚生労働省が用意しているマニュアルでは、入退院の手続きや診療費の請求、支払い方法などについて詳しい内容が紹介されているのです。また、来院した際の対応や受付、未払金への対策などが紹介されている近畿運輸局や九州運輸局のマニュアルも、看護師のみならず医療従事者全てがすぐに参考にできる内容となっています。
このようなマニュアルを取り入れている病院の場合は、そこで働く看護師も比較的対応しやすいでしょう。しかし、マニュアルがあっても、実際のやり取りではコミュニケーションで問題が生じる可能性が出てくることは否めません。
実際、病院では外国人患者とのコミュニケーションがスムーズに取れないことで、トラブルが生じるケースが多いです。受診のシステムや病状に関すること、診療費の支払い方法などは、トラブルが生じやすくなります。
外国では、診療費を払ってからの受診が慣例になっている場合があるからです。外国人患者の不安を減らして未払いを予防するためには、滞在資格の有無や健康保険の加入状況、海外旅行保険を契約しているかなどを、医療従事者が英語でしっかりとヒアリングしなければいけません。